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「俺、先輩から卒業しようと思います」
軟派南(あれ、難波だっけ)の口から食べかけのポッキーが床に落ちて二つに割れた。いくら桜咲学園一彼女を持つイケメンといえど、口を開け放したままの顔はあほ面だ。
「…な、なんで、急に」
「いや、3月なので」
「…あぁ、卒業シーズンか…じゃなくて!」
俯せから勢いをつけて起き上がり、慌てて旅行鞄を両手に持つ俺の前に立った。
「俺、なにか…したか…?」
目はせわしなく泳いでいて、口がまだ若干開いている。思い当たる点が多過ぎるらしい。(さらにあほだ)
「いえ、3月なので」
「いやいやいやいや、違くて!なにその荷物、なにその笑顔!ちょ、ちょっと待てって!」