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□好きな子は誰?
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ある日の部活中…



「聞いたで〜、財前!!お前好きな子いるんやろ?」

いきなり謙也君に後ろからのしかかられ言われた一言。

この一言がキッカケになるとは…思ってもいなかった…。


〜好きな子は誰?〜

「なんですか、謙也君。いきなり…」

「だ〜か〜ら、財前くーん好きな子いるんやろ?…隠さんでもええやんかw謙也先輩に教えてやw」


酔っ払ったサラリーマンか…

「嫌です。早よ退いてください。」

「嫌や、教えてくれるまで退かへん」

ガキか…この人は…

「…謙也。財前君困っとるやろ…」

そう言って謙也君を引き離してくれたこの人…

 “白石 蔵ノ介”
テニス部部長で、俺の…好きな人…。


「何すんねん、白石!!良いとこやったのに!!白石のアホ!!」

なんや今日の謙也君はめっちゃウザい。
「謙也…早よランニング行って来いや。お前だけやで?終わっとらんの…」

「ゲッ!!ホンマに?…しゃあないな、行ってくるわ!!財前、また後でなーー!!」

さすが浪速のスピードスター。早い…



「…部長。助かりました…」

「ん?あぁ、ええよ。気にすんなや」

そう言って微笑んでくれる部長。
ホンマにかっこえぇなぁ…

「…そんな事より財前君、さっき謙也が言っとったこと…本当?」

「はぁ?」

「財前君に好きな子おるって…」

あぁ、この人に変な誤解をされなきゃいいが…。

「まぁ…本当っすよ」
だって俺が好きなのは部長だから。
………なんて言えないよなぁ…

「誰なん?」

「へ?」

部長にそんな質問をされるとは思ってなかった俺はつい情けない声を出してしまった…。

「だから、誰なん?財前君の好きな子って…」

「え…あ、いや…」

部長の顔付きが変わった。さっきの優しい顔付きから一変、テニスに向ける様な真剣な顔付きになっていた。

「…財前君。…俺にも教えられない?」

部長に耳元で呟かれる。こんなこと初めてだ…

「え?部、長///離れてっ」

「離れない…なぁ、財前君…財前君は誰が好きなん?」

そう言いながら俺を正面から抱きしめる部長。俺は部長にされるがままだった。
「財前君…もう一度聞くで?財前君は誰が好きなん?」


「…部長っす///」

「はぇ?」

今度は情けない声を部長が出した。

「……財前君、それ本当に?」

「本当///…」

…あぁ、まさかこんな形で部長に告白するとは…情けない…

「財前…良かった俺、君が他の奴の名前言ったら今ここで犯すとこだったで…」

「なっ!犯すって」

そう言ってたら部長が強めに抱きしめられた。

「っ部長///」

「財前…好きや…」

また部長が耳元で呟く。そんな事されたらもっと惚れてしまうやろ…

「部長…」

「財前…」





「「あーーーー!!」」

いきなり叫んだのは…


「……謙也」

「…と千歳先輩」

声がした方を見ると千歳先輩と謙也君が立っていた…

「財前の好きな子って…白石か!?」

「2人もそう言う関係だったんね〜そうは思えんかったばいw」

あからさまに驚いている謙也君といつもと変わらない千歳先輩。

「はぁ…部長。早く部活始めましょ」

「せやな…千歳と謙也はいつもランニングにプラス10周な」

「「ゲッ…」」

「早よ、行ってこい」
「「…」」

2人はランニングに行った。




「……財前」

「はい?」

「好きやで」

「…知ってます。…部長」

「なんや?」

「好きです…」

「知っとる」





まさかあの一言がキッカケになるとは…謙也君には感謝やな…



     END

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