小説

□Marsh marigold
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目に涙を浮かべ心の中で一番大切な人に謝罪した
その時、何処からか心地の良い歌が聞こえてきた。

「‥彼の者達に安らかなる眠りを‥魔物達のララバイ」


(ぇ…?)


低音で安心する、俺が一番聞きたかった声‥。


「人のモノに手を出そうとはいい度胸しているな‥」


俺達から少し離れた所に、一人のエルヴァーンが立っていた。
静かに近づいてきて、さっきのララバイをまともに喰らって
俺の上で伸びているエルヴァーンとヒュームをどかし、
引き裂かれた服を拾い抱き起こされる。

「すまん、遅れた…」
「ッ‥クライツ!」

俺は目の前の、一番会いたかった人に抱きつき子供のように声をあげ泣き出した。

そんな俺を落ち着かせるように額や頬に唇を寄せ抱きしめてくれた。
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