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□聖なる日
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いつもより人通りも増え、賑やかになった街をアカギとカイジは歩いていく。
「カイジさん、今日騒がしいね。なんで?」
辺りを見渡しながらアカギがカイジに言う。
この手の行事に疎いアカギには、賑やかな理由に見当が付かなかった。
「あぁ。今日クリスマスだからな」
「…クリスマス?」
首を傾げるアカギにカイジは不思議がる。
いくら行事に疎いと言っても知らな過ぎだろ、と。
考え尽くしたカイジはあることに気付く。
「もしかして、昭和はこんなことしなかったのか?」
頷くアカギに納得する。
昭和にこんなことするとは思えない。
「クリスマスって何する日なの?」
更に問い掛けるアカギにカイジは悩みだした。
キリストの誕生日と言っても本当か分からないし、ご馳走を食べる日と言ってもなにか違うし…。
「ねぇ、カイジさん」
悩むカイジに詰め寄る。
中々良い答えが見付からずに、半ば自棄になって言い放った。
「…プレゼントが貰える日だ!」
カイジの答えに満足したのかアカギは歩きだす。
その口にはカイジからは見えなぬよう、弧を浮かべていた。
「(クク…その答え、今夜後悔させてあげるよ)」
アカギの考えに全く気付かないカイジは、胸を撫で下ろして着いていく。
カイジが自らの答えに本気で後悔したのは日が暮れてから……。
→あとがき&オマケ