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□色
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「お前猫っぽいよな」
ぽつりと溢したカイジの言葉に、吸いかけの煙草を灰皿に押し付けた。
「どうしたの?急に」
微笑み掛ければカイジが照れたようにはにかむ。
「なんとなくな」
「…じゃあ色は?」
唐突な質問に一瞬きょとんとして、少し考える。
不意に顔をあげ嬉しそうに声を出した。
「灰色!」
予想外の回答に、今度はアカギがきょとんとする番だった。
「…クク。俺はそんなに曖昧な色なの…?」
一度笑い近寄って頬を撫でると、見るからに焦ったカイジが言い訳とも取れる話を始めた。
「…だ、だって無欲な癖に無謀って言うか……。どっか人とは違う部分で…強欲っつーか…貪欲って感じ…だし…」
最後の方は聞き取りづらいほど小さくなった声に、アカギは堪えきれずに笑みを溢す。
まさかカイジがそこまで自分を見ているとは思っていなかった。
否。例え見ていても、理解しきれてないものだとばかり思っていたから…。
「…そっか…ククク……」
笑いながらもちゃっかりカイジの肩に腕を回し、抱き締める。
珍しくカイジも抵抗もなく自分からアカギの背中に腕をまわした。
「…じゃあカイジさんは黒だね」
耳に囁き込むように低く言えば、擽ったいのか肩を揺らしてから不思議そうな声をあげる。
「…黒ってどういう意味だ?」
「さぁね。自分で考えてみてよ」
多分一生解けることはないだろう問題だろうけど。
と心の中で呟いて遠慮なしにカイジを押し倒す。
「さっきしたばっかりだろ…!」
「クク…。倍プッシュだ」
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