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□自由人
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街が輝く深夜。
森田と銀二は遅い帰宅をした。
「銀さん。今日もお疲れさまです」
「お前もな、森田」
仕事は例外なく成功を収め嬉々とした様子で森田は銀二に近付く。
「明日休みですね」
囁きながら抱き締める森田の意図を読み取り、銀二は小さく笑う。
「ふふ…。おいおい、シャワーくらい浴びさせろ」
「はい」
一旦身体を放そうと腕を解いた瞬間。
二人の甘い雰囲気をぶち壊すチャイムが鳴った。
「こんな夜中に誰ですかね。俺出てきます」
せっかくの二人の時間を邪魔され少々不機嫌気味の銀二を気遣い、森田が玄関に向かう。
仕方なく先にシャワーを浴びようとする、疲れ切った頭ではこの先の展開を予想するほど余力はなかった。
シャワーを浴びていくらか機嫌の治った銀二は、リビングの光景に固まる。
ソファーに座って煙草を吸う白髪に気が付いて。
「…森田。どういうこどだ?これは」
「さっき玄関開けたら赤木さんが居て…」
どこか疲れている森田に頷いて返し、既に気付いてるであろう赤木に歩み寄る。
「なにしに来た」
苛立って普段より低い声の銀二に平然と赤木は答える。
「暇だから遊びにきた」
「帰れ、今すぐに」
早く森田と二人きりになりたい銀二が即答する。
が、動く気配はない。
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