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□アカギの闘牌・博徒の心配
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「勝負はなにが起きるか分からないだろ」


言った俺を、闇のように黒い目で見つめてくる。
なんとなく気まずくなって視線を逸らす。

途端にアカギがいつものように笑いだした。


「ククク…。そんなに俺のことが心配だった?」


「っ!」


まるで心を見透かされたようだ…。

確かにヒヤヒヤしたけど、それは金のことじゃなくてアカギのこと。
金の代わりに腕一本賭けるなんて言うから…。

俺も指を賭けて、敗ながらもこうして指が動くのは、優秀な黒服がその場に居たから。
兵藤の部下だから当たり前と言えば、当たり前だけど…。

ヤクザの連れはどう見たって、そういうことに疎そうな奴等ばかりだった。
敗けて本当に腕一本取られたら、間違いなく死ぬ状況。

それなのにコイツは平然として…。


「…ううっ…!」


急に泣きだす俺の頬に、アカギが壊れものを扱うように優しく触れる。


「ごめんね?カイジさん」


初めて聞くアカギの謝罪に少々驚きながら、静かに頷く。

本当に良かった。
アカギが無事で…。

今度は安堵の涙が溢れてくる。
無言のまま抱き締めるアカギと、腕の中で泣き続ける俺を満月が見守っていた…。





→あとがき
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