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□色
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疲れはて気を失ったカイジの頭を撫でる。
先ほど出した問題の答えを胸に抱きながら、アカギは少し目を細めた。
「…俺がギャンブル以外で貪欲になった、唯一の存在だからね…」
そしてその貪欲を表した色が黒色。
つまりカイジの存在そのものが、アカギにとって特別なのだ。
離れて服を着るとアカギはそのまま玄関へ向かう。
最後にもう一度寝ているカイジを見て、躊躇わずにドアを開けた。
「またね。カイジさん」
一言だけ残して部屋からアカギの存在が消える。
これは賭け。
アカギがアカギ自身の欲とする、大きな賭け。
次に会うときまでにカイジへの思いを落ち着かせないと、その内カイジ自身をアカギの黒い感情が飲み込む。
だから少しでも時間を空けて会う。
それがアカギの考えた苦肉の策。
好きだから。
愛してるから。
一緒に居たいから。
だから…
『さよなら。カイジさん』
一端さようなら。
【End】