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□悪漢対博徒
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「…ロン!」
始まって30分。
アカギは何度目かの和了をします。
「…お前さっきっから容赦なさすぎっ……!」
「今日はちょっとツいただけだよ」
「ちょっとって……!最低ハネ満で、何度も役満和了りまでしてるじゃねーかよ…」
カイジがぼろぼろと泣きながら言う通り、アカギは始めてからほとんど倍満で和了りを繰り返していました。
稀にハネ満。
しかしそれと同じくらいの回数を役満。
つまり満貫の和了は一度もありません。
一方カイジはたたでさえアカギが凄い和了をする中、なんとか満貫の和了を数える程度するだけです。
「うぅ…!こんなの勝負にならないだろ…」
「クク…。じゃあ今までの全部チャラにして、最後に勝った方が上ってことにする?」
甘い誘惑に迷うことなく了承するカイジ。
今度は隠すことなくアカギはにやりと笑いました。
「ロン」
声と同時に牌が倒れる音がします。
結局カイジは振り込んでしまいました。
「大三元四暗刻字一色」
なんということでしょう。
アカギの待ちは、カイジの捨て牌候補の数少ない字牌単騎でした。
しかもW役満ならまだしもトリプル役満。
カイジの自信を根こそぎ奪っていきます。
「クク…。これで文句ないよね?カイジさん」
最早カイジは頷くしかありませんでしたとさ。
めでたしめでたし。
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