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□バレンタインデーラヴァーズ
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寒い冬の日々が続く2月……




街中ではバレンタインデーに向けて可愛くラッピングされたチョコレートや手作りチョコ支援の為の商品が溢れかえっている。



もちろんこの流星商店街でもバレンタインフェアとか言うのをやってる。











………天も、チョコレート作るんだろうか?











「……って何期待してんだよ、俺は」










前に天は料理が苦手で、お菓子作りはあまりやったことがないと言っていた。





先週雪夜たちとバレンタインの話になった時……











***



「やあ空」


ご機嫌そうな雪夜が俺の顔を覗き込む。


「……なんだよ?」

俺は休み時間に睡魔と戦ってるんだ…邪魔するな。



そんな俺の思いもヤツには届かず、



「来週はバレンタインデーだね。空はチョコレート好きかい?」

「まあ好きだけど……バレンタインには興味無い」

「ええぇ!?空ってチョコ好きなのか!?意外だ〜」

ひょっこり話に入る陽司。
なんだよ、俺がチョコ好きじゃ悪いかよ。


「空って甘いモノ苦手そうなイメージがあった」

「それは偏見だ」


むしろ辛いものの方が苦手だったりする。








だけど……


陽司がそう思ってたってコトは、
天もそう思ってたりするのかな……?













***




クールな男子が甘いモノ苦手っていう考えは古いんだよ、ったく……。














退屈過ぎて昼寝でもしようかと思ったその時、







部屋の呼び鈴が鳴った。







インターホンのカメラには天の姿が写っている。








「なんだよこんな時間に」

『ああよかった空、まだ起きてたのね』




もうすぐ日が沈むという時間に……


思ってたことが起こるとか――





「入れよ」

『うん』













すぐさま部屋から出て、エレベーター前で天を待ち構える。





「うわぁ空!びっくりした…」

「びっくりしたのはこっちだし。で?何」

「ああえーとね……」





天は何かを鞄から取り出し、それを俺に差し出した。








「今日…バレンタインだから」

「……義理チョコ?」

「本命に決まってるでしょ!!」







「ごめん、嘘。冗談だって」






チョコを受け取ってそっと囁く






「ありがと」






こういうのも悪くない。



一ヶ月後は――3倍でも10倍でも返してやるよ。











FIN☆彡


 

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