短編集→
□甘い夏の物語。
1ページ/3ページ
☆7月7日
今日は七夕。流星商店街は毎年恒例の七夕祭開催中で、どのお店も綺麗に飾り付けられている。
通りの真ん中には子供たちの願いが書かれた短冊が笹の葉へ飾ってある。
そんな商店街を真っ直ぐ突き抜けて駅前までやってくると……
居た!栗色の髪のツインテールの女の子。
小柄なその身長と幼い顔立ちからは中学生と見間違えられがちだが、少女はれっきとした高校生。
「恵ちゃ〜ん!」
名前を呼ばれて振り返る。
夏井 恵、帝煌学園2年生。
「あ、月慧くん!」
全力で駆け寄り、もうお昼だけどおはようって挨拶をする。
「ごめんね…少し寝坊しちゃって…はは」
「大丈夫だよ月慧くん。恵もちょっと寝坊しちゃったからここまでパパに送って来てもらったの。だからお互い様だね!」
「そうだね。ありがとう恵ちゃん」
今日ボクは恵ちゃんと一緒に駅前のデザートバイキングのお店にやってきました♪
最近出来たばかりの新しいお店で、好きなものを食べ放題出来るスイーツ好き必見のお店。
しかも今日は七夕ということで期間限定の特製スイーツもあるんだって!
昨日の夜はそれが気になって気になって興奮しちゃってなかなか眠れなくて……それを話したら恵ちゃんもそうだったみたいで、ボクたち似た者同士だねって二人で笑った。