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□輝くキミが大切だから
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――蝉の声が響き渡る……夏。





じわじわと熱気の波が押し寄せる。





……まあ、夏だから仕方無いんだけどね。





クーラーの部屋から動けなくなる。

せっかくの夏休みなのにこう暑いとどこにも出掛ける気分になれない。



「……宿題でもするか」



さっさと宿題を終わらせて、残りは思いっ切り遊ぼうっと♪















宿題を始めて30分……



終わらない……




やっぱり星明と一緒にした方が早く解けるかな〜………なんて。

自分の力でやらないとダメよね。









「お嬢様ぁ〜〜お嬢さ〜まぁぁあ〜〜!!」


桜崎だ。どうしたんだろう?





「なぁに?」


「お、お嬢様!お帰りになられましたよ!」

「え?」

「輝坊ちゃまが!」

「えぇッ!!?」











急いで階段を駆け降りて、リビングへと向かうと………





わたしと同じ藍色の髪……

長く伸びたその髪をひとつに束ねている。


「兄さん……!」





優しい笑顔の兄さんが振り返る。










「ただいま……天ぉぉぉ!!?」

「おか……うわあぁちょっと…」



爽やかな笑顔がいきなり泣き顔に変わる。

わたしを見た途端飛び付いて来る。



「天ぉぉ〜〜〜会いたかったぞぉ〜〜ただいまぁ〜〜!!!」

「お帰り!わ、分かったから!ちょっと兄さん……」



響色 輝(ヒビキシキ テル)

ドイツへ留学していたわたしの4歳年上の兄さん。





「ほら〜お土産だぞ♪ドイツのソーセージだ!」

「あ、ありがとう……」





何も変わりないみたいでよかった。

え〜と、シスコンって言うのかしら……でもそんな優しい輝兄さんが大好き!



 
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