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□遠き日の想い出
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【遠き日の想い出】
『はじめまして、わたし天。君は?』
今でもよく覚えてる。
僕が小学生になったばかりの春だった。
父さんの学生時代からの友達の家に遊びに行った時、僕と同い年の娘が話し掛けてくれた。
桜色の頬をしているその子の笑顔はとっても優しくて…温かいものだった。
『ぼ……ぼくは……氷斗。煌氷斗だよ』
当時の僕は人見知りが激しく、友達も空しかいなくて……
『氷斗ね?仲良くしようね!』
『う、うん。よろしくね』
その笑顔はまるで太陽の様だった。
僕は初めてドキドキした。
なんて可愛いコなんだろう……って
***