12/24の日記
23:40
X'mas Eve
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――街は何処を見渡しても恋人達ばかり
冬休みに入った今、特に用も無いのに彼女に会いに行く訳にはいかないし……
「はぁ……」
ぼんやりと部屋の窓から雪の降る外を眺める氷斗。
その切ない溜息がガラス窓を曇らせる。
12月24日
世間一般ではクリスマス・イヴなどと騒がれている日。
――そしてそんな今日は……
「失礼します氷斗様、お呼びですか?」
「ああ。入って」
声の主は柴平 奏。氷斗専属の煌家執事である青年。
今日はその柴平の誕生日なのだ。
「誕生日おめでとう奏」
主の口から発した言葉に柴平は目を丸くする。
「…覚えてくださっていたんですね。ありがとうございます」
「だから今日は奏に何かプレゼントしようと思うんだけど……何か欲しいモノとかある?」
そう言われても…柴平にとって何よりも嬉しい事=氷斗様の傍にいられる事
「そのお気持ちだけで嬉しゅうございます。私は氷斗様にお仕え出来る事が最高のプレゼントでございますので……ですから氷斗様がなさりたい事を協力出来る事が私の役目です。何なりとお申し付けを」
柴平は頭を下げる。
「……」
氷斗は困ったような顔をしたが、それからすぐに口を開いた。
「じゃあ奏、休みをあげる」
「え?」
たった今仕事が生き甲斐だと言ったばかりなのに……
「家の仕事をね。……だから今日は僕と外出。わかったらさっさと準備して」
「はい!かしこまりました!!」
柴平は目を輝かせる。
【氷斗様とお出かけ】
なんて素晴らしい休日なのだろうか……!!
――別に寂しい訳じゃないけどね
どんなに町中が恋人達で溢れ返ろうが
僕には関係ないコト
ただ――奏と一緒なら本当の自分でいられるから……
キミには僕のワガママをたっぷり聞いてもらうからね!
〜09,12,24 奏の誕生日〜
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