05/25の日記
23:56
5月生まれの双子座です☆
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※本編の天の誕生日の続き
「みんな何くれたのかなぁ〜♪」
毎年行うわたしの誕生日パーティー。
高校生になった今でもみんなは誕生日プレゼントを持ってきてくれる。
「え〜と……これは星明からね」
中身は大学受験の参考書。
そっか…来年は受験生だもんね…
大学なんて行けるのかな?
厚みのあるずっしりとした本を手に取りページをめくると……
白黒のページにカラーペンの書き込みがいくつかある。
「高校受験の時も同じようにしてくれたよね……解りやすくまとめてあって……いつもありがとう星明」
隣の小包を開けると、クッキーやスコーン……美味しそうなお菓子が入っていた。
「これ……月慧の手作り?すごい!」
月慧の家はケーキ屋さん。
月慧も将来はパティシエになりたいって、いつもお菓子作りの勉強をしていた。
「わたしもお菓子上手く作りたいなぁ」
そう、わたしはいつも必ずと言っていいほど失敗する。料理は苦手なの……。
「これは翔ね…………アロマキャンドルじゃない!」
しかもわたしの好きな香……覚えててくれたんだ
いい加減に見えるけど、実はしっかり者。
いつも家では優しいお兄ちゃんだもんね。
「雪夜のは……可愛い!帽子ね」
雪夜はわたしの好みを把握しているようで、いつもわたしが欲しいものだったり、好きなものをプレゼントしてくれる。
……きっと雪夜の彼女になった子は幸せだろうな……
こんなに優しいんだもの。
「この大きな袋は陽司ね?……あ、テディベア……」
そう言えば小さい時はよく、大きなクマさんが欲しいって言ってたっけ……
嬉しい!陽司も覚えててくれたのかな?
みんなわたしの大事な親友だから……
その時、部屋のドアを軽く叩く音……
「天、まだ起きてるか?」
「……空?ええ、どうぞ」
よそよそしく部屋に入ってくる空。
「どうしたの?そんなに緊張することないわよ」
「そんなんじゃねーよ……これ、渡したくて」
空が差し出したのは丸い小さな筒。
可愛く水色のリボンが巻かれている。
「ありがとう。……これ、万華鏡?」
覗くとキラキラ光る星が見えた。
回転させると違う世界になって……
「そういうの……好きか?」
「ええ、好きよ。だってすごく綺麗で不思議……覗いていると吸い込まれそう」
わたしがそう言うと空が笑った。
「……一応、手作りなんだ。そんなによく出来てた?」
「そうなの?空って意外と器用なんだ〜……あ、この流れ星が翔ける瞬間がとても素敵!!なんかね、流れ星を見ると…遠い昔に約束があったような気分になるの」
万華鏡を覗くのをやめると、いつも鼻でしか笑わない空がとても穏やかに微笑んでいた。
「空……」
「そこ一番頑張った。どうしても天に見せたくて。……じゃあおやすみ」
何故だか空の背中を見ていると切なくなる……
無性に引き留めたくなる。
「おやすみ……ありがとう、空」
流れ星は――わたしたちの絆だから……
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