書架
□君の
1ページ/1ページ
アジア支部、通称精霊の家の守り神
それから結晶体が派生したのは幼きバク・チャン‘扉’に触れたときだった。
・・・・君が・・・・
「なぁフォー?」
バクは‘扉’に話しかけていた。
気になることがあったからだ。
「オレ様のひぃひぃひぃじじはどのような人だったのだ?例えば・・・顔とか。」
「んあ?あんなジジィの何が知りたいんだよ?つーかオマエの顔なんか忘れちまったよバーカ!」
「おーいフォー・・・最後の方誰に話しかけてたんだー?」
バクの声に、思い出しかけていたバクの曽曽祖父から現実へと引き戻された。
「・・・あーごめんなんだっけ?」
「もういいわ!それともう一つ、おまえが派生したのはオレが幼い頃、‘扉’に触れたと同時だったと聞いたのだが何故なのだ?」
「ハッんなもん忘れたよバァーカバクゥ!」
しかしそれは答えたくなかっただけで、本当は覚えていた。
鮮明に。
「ぬぅ!バカとは何だバカとは!・・・しかし覚えていないのなら仕方がないな。オレは帰る。」
(本当に忘れたと思ってやがる。間抜けなところもアイツそっくりだぜ。)
アタシをつくったあの人に・・・
『フォーよ、出てきておくれ。』
バクの曽曽祖父が生きていた頃、フォーは彼にしか姿を見せはしなかった。
それはフォーの彼に対する忠実の象徴であったし彼女自身の喜びでもあった。
しかし、いつしか彼の声を聞くことはなくなった。
それでもまった。
分かっている筈の事実に気づかぬ振りをして。
自分の存在を誰もが忘れてしまっても。
「そちらへ向かってはいけません。お待ちください!」
誰も‘扉’に来なくなってからどれくらい経っただろう。いきなりこの静けさを破る声が聞こえてきた。
「なぁウォンよ。これはなんなのだ?」
アタシ
小さな子供が‘扉’に触れた。その顔、容姿は忘れるわけがない。
あの人だ。
喜びと愛しさがこみ上げてきた。らしくない。驚いて飛び出してしなうなんて。
「うわぁ!?」
子供はフォーの出現に驚いてしりもちをついてしまった。
「お、おまえはだれだ?」
違う。こいつはあの人じゃない。アタシはバカだ。あの人が幼子に姿を変えて出てきたとでも思ったんだろうか。
現実を突きつけられた。
―あの人は死んでしまった―
あたりまえのことだけど、
アタシはチャン家に仕える守り神だからチャン家の血が絶えるまで生きているけど、あの人は人間だから、死んでしまう。
アタシはおいていかれてしまう。
こいつも・・・
「アタシはフォー。」
「・・・おまえは?」
「オレはバク、バク・チャンだ。知ってるか?オレのひぃひぃじぃさまはここの守り神をつくったんだぞ。すごいだろう?」
バクはそのことを鼻にかけているようだったが、自分が今話している者がなんなのか知るよしもなかった。
(あの人の曾曾孫!? どうりでこんなに似ているわけだ。そうか・・・)
「アタシはフォー。チャン家の、オマエの守り神だ。」
あの人の死に際に、一緒にいることができなかったから。
だから―
「そうか!オレの守り神か!じゃあ・・・ずっと一緒にいてくれるのか?」
「あぁ。」
君の死に際まで
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
なんか死人でてますけどコレ死ネタじゃないですよね・・・。
途中文法とか色々分かんなくなっちゃったのでここでお詫び申し上げます。
掲示板にて御意見お待ちしております。