小説

□長門と。
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あれはまだ肌寒い3月の出来ごとだ
俺にはいつか結婚したいと思う嫁(になるかもしれない彼女)がいる。彼女、名前は長門有希(旧姓になるだろう).俺は彼女を心から愛し、誰よりも長門のことを理解していた。と思っていた‥‥あの日、俺はわりと早く部室に着いた。荷物を置き、誰も居ない部室を見渡していた。するとかすかだが、どこからか声がしたので外に出てみると、少し奥にコンピ研部長と、−−−−−−−長門がいた。ああ、今日はコンピ研に行ってんのか、と思い、ゆっくりと部室に戻ろうとしたときだった。「付き合って下さい!」たしかにそう聞こえた。俺は耳を疑った。関係ない俺がなぜか無意識のうちにその場を眺めていた。「…………」長門は何も喋らない。その時。  「ゴトッ」と、音がした。しまった携帯を落とした!急いで廊下から出ていこうとした。もちろん急いでももうしっかりと見られたのだが。…その日長門は部室に来なかった。  しかし次の日、部室には長門がいつもと変わらないようにいた。まだハルヒたちは来てない。ここで俺は単刀直入に聞いた。「なあ長門、昨日のは、、、何だったんだ?」「…私はそういうつもりで居たんじゃない。」 本に目を向けて淡々と言った。 コンピ研部長に俺の(?)長門をとられては困る。たしか部長には喜緑さんがいたのでは?     あ、別れたか。「長門、お前好きな人とかいるか?」こんな事平然として言える俺がすげえよ。     10秒ぐらいしてから小さくうなずいた。コンピ研部長では無いはずだ。誰とまでは聞かなかった。ただ俺は「そうか。」      と言ってみた。その時、ドアが開いた。「なにやってんの」          ハルヒだ。後ろに古泉。少し不機嫌そうな感じだった。気付いたら俺と長門の距離はとても近かった。俺が席を所定の位置に戻した後、古泉が俺に小さく言った。「あなたはまた閉鎖空間を作りたいのですか?自分でまた責任をとってもらいますよ?」冗談じゃない。もうあんな事はしない。「あなたが涼宮さん以外を好きになってしまったら世界はどうなってしまうかわかってるのですか?くれぐれも注意して下さい。」おいちょっと待て、ハルヒ以外ダメ!?「涼宮さんをコントロールしてるんのはあなたです。」「まあ、今までの経験上、そうなってるが…それは絶対か?」「おそらく」古泉はためらいがちに言った。なんてこった。
ハルヒに俺の人生を左右されるのは辛い。今までそう深く考えて無かったが、いざとなったら俺が閉鎖空間でした努力が水の泡だ。第一、ハルヒは俺の事が好きなのか?ポニーテールは好きだがな。(俺が)
また昨日と同じ状況。長門だけだ。俺は鞄を置き、そして沈黙。話す事が無い。自分で茶を入れる。朝比奈さんはまだか?長門が珍しく本でなく俺を見ていた。そういえば前もこんなことがあった気がする。「何か用か?」「…いや」また読書に戻った。俺は長門の本を見て思い出した。ああ、忘れてた。図書館に連れていく約束をしていたんだっけ。結構前じゃなかったか?
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