『はじめに』
とある『夏の日』に知り合った二人。一気に燃え上がる『愛』に現実が邪魔をする…。
プロローグ?
僕は『スーパー』で働く23歳の、普通よりはほんの少し『目立ちたがり』な男。
自分で言うのもなんだが、そこそこ遊んでいる方だと思う。
今は7月
何気無い毎日を過ごしていたある日それは始まった…。
『視界』
「おはようございますぅ!」
まだ開店前の薄暗いお店に足を向かわせ挨拶をした。
「あっ、おはよう!」
こちらに振り返りお店の中の人達が挨拶を返して来た。
いつもの朝、いつもの笑顔、いつもの一日がはじまる。
いつもの…はずだったがそれは突然だった。
「今日新しい女の人が入ってきたね…」
3日程前からその噂は聞いていたけど、いつもの事だからさほど気にもしていなかった。
お昼前に買い物に来ていた主婦達の姿も少し減って来て、午前中の仕事も落ち着いた頃、先休憩のパートさん達がお昼ご飯を買いに『惣菜コーナー』に来ていた。
僕はなにげにお店に向かい、商品のチェックをするついでにそのパートさん達と会話を交す。
「今から?いいなぁ〜腹減ったぁ!」
軽くお腹を摩りながら呟いた。
「あははっ。お先にねっ!」
などと話していた時…
「きゃははっ!」
「本当ぉ?」
明るい声が背後から聞こえてきた。
ふと振り向くと、女子社員がお昼を買いに来ていた。
話しかけようと女子社員の後ろの人影に目をやる。
『……!!!?』
一瞬『心臓』が止まる程の感覚を覚えたと同時に、『視界』が消える程の衝撃にあった。
『テレビ』や『映画』ではよくやっているが、本当に有るとは、まさか自分が『経験』するとは思ってなかった。
(新しいパートさん……!?)
楽しそうに話をするその笑顔に『視界』を奪われ、体ごと『鷲掴み』にされた。
「はっ、はじめまして!」
無意識に『笑顔』と『挨拶』がこぼれた。
彼女は笑顔のまま一瞬『ハッ』とした表情で僕を見ると、同じ笑顔を浮かべ
「よろしくお願いします!」
と軽く会釈をして答えた。
『秘密』
「皆、ジュース飲む?おごるよ!」
思わず言葉がこぼれた。
…バレバレだ…。
案の定、女子社員の一人が「ニンマリ」しながら言う
「早いねぇ、もう目付けたの?」
図星だ…、何も言い返せなかった。
「駄目だよ、香奈ちゃん旦那さん居るから。フフッ。」
もう一人の女子社員もそう言いながら「クスッ」と笑った。
「そうかぁ、旦那持ちかぁ…。」
「ふぅっ」と息を吐いて「キュッ」と肩をすくめた。
それから何日か経って、彼女とも大分仲良く話すようになっていた。
そんな頃、休憩中に不意に彼女と2人だけで話せる時間が出来た。
当たり障りの無い会話が弾んで来た頃、
「ずっと思ってたんだけど、…ゴメンね変な事言うけど…香奈ちゃんって可愛いよね!」
立て続けに言うつもりの無かった言葉が出る。
「すげぇタイプなんだ!」
…言ってしまった…
当然の如く彼女は、「驚き」と「戸惑い」と「恥ずかしさ」を表情に浮かべながら
「えーっ!!上手いなぁ。皆に言ってるんでしょぅ?」
笑いながら返して来た。
そこで心が決まってしまった。
「ハハハッ、今度さぁ、一緒に晩飯喰いに行こうよ!」
もう止まらな