□誠実
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念のためもう一度書きますが死にネタです。
苦手な人はまわれ右です。











テレビでは二日前から失踪した幼なじみの顔が映し出されていた。
無表情なアナウンサーが淡々とした声を響かせる。

『…マサラタウン出身・現チャンピオンのレッド君は、二日前午後3時から消息がつかめなくなり…』

テレビに近寄った俺は、静かに電源をおとす。
プツンと音を立てて電源はおちた。
静まり返る部屋。
ソファーに座り直し、隣に座っているレッドの手を握った。

「レッド、これからどうしようか」
レッドは首を少し右に傾けただけで答えなかった。
「ずっとここにいるわけにもいかないし…」

電気もつけない暗い部屋の中で、俺の言葉はしばらく漂ってからすぐ消えた。
遠くでサイレンの音が聞こえる。火事だろうか。怪我人だろうか、それとも…



 

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