小説部屋

□SHUFFLE-Savior in the dark-
第一夜・夢×絵本×黄金
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早朝某所―



中年の男は絵画の個展を開く為に絵の最終チェックをしていた

??「(よし、これなら問題無いな)」


男が踵を返して部屋を出ていこうとした時―
      ――フフフ――
??「っ?!」

誰も居ない筈の倉庫から確かに声が聞こえた



??「誰だ!!?

…誰か居るのか!?」


     ――ウフフフ――

何処からか可笑(おか)しそうに嘲笑う(わらう)声が尚聞こえ続けている




謎の声に引き寄せられた先には

??「…これはいったい?」
絵を入れる箱に男は疑問を抱かざるをえなかった

しかし男は不運にも一枚の絵画に導かれてしまった…


中から出てきたのは―




??「おぉぉ……コレは素晴らしい!」

妖艶な笑みを浮かべ手を後頭部で交差した美女の裸婦画だった…



男はイーゼルに飾り付けため息を漏らしながら裸婦画を見入ろうとすると―

――――ぐじゅぅ…ガシィッ――


?????「ウフフ…」


??「っ!?………」

突如動き出した絵の中の裸婦に男は抱き付くカタチで捕まれた―

?????「―若い子が好きなの?



それとも…女が好きなの?」


美女が妖しく微笑む


しかし男は答えられる筈がなかった


目の前の明らかな異常に脳がパニックを引き起こし言葉を失わざるをえなかった…
そしてパニック状態のまま返答を小さく頷いて返す―


?????『じゃあ、俺と同じだな!!』


美女の外層を捨て…

醜悪とも面妖言われてもとも差し支えのない悪魔が
捕獲した男を取り込む…


??『あぁぁぁあああああぁぁぁぁぁ………』


彼を除いた無人の倉庫に
無情にも…叫びは響く…



事が済むとそこには何事も無かったかの様に男が立っていた…



―――キィィー


無人の画廊に入り口の開く音がした…


??「おじさーん。お母さんが借りてた本持って来たよ〜」


高校生らしき女の子の声が聞こえてきた

すると男は先程の悪魔の容姿同様に醜悪な笑みを浮かべ一言呟いた




―――ウマソウナ・・・・オンナダ―――
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