死神探偵

□第二件
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 ―この事件で関わった者は


俺とおばさんの二人だけだった。
おばさんはリビングに呼び出され、
ゼロはよくありそうな『探偵の法則』に
基づいて、ある台詞で謎解きを始めた―・・・


「さて・・・」

ゼロは歩きながら謎解きを始めていた。

「二ヶ月前に終わりを告げられたはずの

事件を解いて、事件の真の終わりを
告げることにしよう」

「麗君、どうしたの。この子?」

西尾は不思議そうに麗一に尋ねてきた。

「げ、劇の練習だよ!」

焦りながらも麗一は答える。

 ―どうするつもりだよ、ゼロの奴・・・。

そう思いながら、ゼロの方を見る麗一。

「この事件の犯人は最も簡単なトリックで
見事に麗や警察達を騙した」
「どういうことだ?」
「お前だって少しは感じているだろう?」
「・・・・・・?」
「それを出来るのはただ一人・・・」


ゼロはスウッと手を上げ、
ビッと指を指した。
指したその先には―・・・




「西尾、お前が犯人だ」




西尾だった。
西尾は戸惑いながら

「げ、劇にしてはよく出来ているわね」
と、言った。

「ゼロ、ふざけるのは大概に・・・」

麗一はソファーから立ち上がった。

「いいのよ、麗君」
「おばさん・・・」
「証拠でもあるかしら?」

西尾はさっきとは変わらず笑顔を
見せていた。

「証拠は・・・」

ゼロは少し間を置いてこう言った。

「ない」

「ほら、劇の練習だから証拠なんて
あるわけない。
ホットカーペットなんて・・・」
「!!」

麗一は西尾の発言に何か気がついた。

「どうしたの、麗君?」

麗一の異変に気がつき、麗一に尋ねた。
 麗一は
「おばさん、どうしてそんな事を・・・」
「ホットカーペットがどうかしたの?」
「西尾、誰も『ホットカーペット』なんて
言っていないぞ?」

「!!」

西尾は口を押さえた。
だが、それはもう遅かった。

「これではっきりしたな」
ゼロは再び西尾に向かって、指を指した。
そして、言った。


「西尾、犯人はお前だ」
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