死神探偵

□第二件
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「・・・・・・」

西尾は黙っていた。
しかし、ゼロは構わず事件の真相を言った。

「アルバイトに出る二時間ぐらい前、
まず、麗の家に行き、両親を殺し、
アルバイトに行った」

「それなら、死亡推定時刻で
分かるんじゃ・・・」

ゼロはフッと鼻で笑い、鞄から何かを
取り出した。

「そこで、これが使われる」

取り出したのは人が二人ぐらい寝れそうな
大きめのカーペットだった。

「殺してすぐに、二人をかぶせ、
電源を入れる。二時間ぐらい入れておけば、
三十分ぐらいは伸ばす事が出来る」

「・・・・・・」

西尾は黙ったままだった。
そんな西尾を見た麗一は・・・

「おばさん、本当なのか?」

「そうよ・・・」
麗一の問いに素直に答える西尾。
そして・・・

「私が殺したのよ、二人を!!」
と麗一に向かって強く言った。

「どうして・・・」

「貴方の家族が憎かった・・・」

「えっ!?」

西尾の言葉に驚く麗一だったが、
西尾はさらにこんなことを言い始めた。

「夫と娘を亡くした私の前に、
貴方の家族がいた。
貴方の家族が嬉しそうに笑っているのが、
私に対してはそれは嫌なものだった。
そんなものは消えてしまえばいいと思った」

「そんな・・・」

麗一は驚く事しか出来なかった。
西尾は次第に声が大きくなっているのが
分かる。

「だから殺したのよ、奪ってやったの!!

私と同じの苦しみを味わってもら―・・・」
言葉が途切れた。
いや、正確に言えば止められたのだ。


ゼロによって―・・・


「人間というものは、くだらないことで
人を殺してしまうのだな。
死神と違って・・・」

グッと西尾の顔をつかむゼロ。

「ゼロ、何をするつもりだ!!」

麗一は立ち上がり、ゼロを止めようとした。
が、しかしゼロは・・・

「よく見とけよ、麗。
これが俺様のやり方だ」

西尾をつかむ手の力が強くなるのが見えた。

「命を削らせてもらうぞ」


そうゼロが言った瞬間、西尾から何かが
出て行った。
そして、それはゼロの中へと
吸い込まれるように消えた。





「執行完了・・・」





ゼロは静かに手を離した・・・。
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