死神探偵

□第八件
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「うん。
それじゃあ、ゼロの事、よろしくな。」

『任せてよ!
こう見えても、小さい子の扱いには、
慣れているから!』

「ああ、よろしくな・・・」

麗一は携帯のボタンを押し、電源を切った。

「ハァ・・・」

麗一はため息をつき、ベッドに寝転び、
ある言葉を思い出す。


それは数時間程前―


「どうしてだよ、ゼロ!!」

麗一はゼロに向かって叫ぶ。
しかし、彼はこちらを振り向かなかった。
振り向かないかわりに、麗一に向かって、
こういい捨てた。







「お前なんて必要ない」




「!!」

驚きのあまり、麗一は何もいえることが出来なかった。
しかし、すぐに彼はゼロに向かって、叫ぶ。

「何だよ!お前にとって、俺はそんなものだったのか!?」

「・・・・・・」

「なんか言えよ!ゼロ!!」



麗一は叫ぶ事しか出来なかった・・・―





「!!」

麗一は目覚めた。
カーテンの隙間から光が差し込む。
いつの間にか眠っていたようだ。

 ―朝か・・・。

麗一はシャッとカーテンを開き、
太陽の光を浴び、何を思ったのか、
パンパンと顔を叩いた。

「よしっ!」

何か吹っ切れたように麗一は鞄を手に取る。

 ―いつまでも、過去を引きずったら、ダメだよな。
いつもどおりに俺でいい話だよな。

自分にそう言い聞かせ、麗一は白牙の元へ向かう事にした。
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