死神探偵

□第九件
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「白牙さん、いいんですか?」

「何がじゃ?」

「解っているくせに」

白牙ののんびりとした態度に、少し苛立ちを込めたような口調で言う純に彼女はそれに対して、軽々しい口調で

「アイツを二人目の助手にするのは、
早すぎるのではないかと言いたいのか?」

「・・・・・・」

「いいではないか。
おぬしの仕事の負担が減るから、便利じゃろう」

「かと、言って・・・!!」

純が声を張り上げた瞬間だった。

「お早うございまーす」

麗一が部屋に入ってきた。

「麗一さん・・・」

「どうしたんだ、純?
そんな気難しそうな顔をして・・・」

純の表情を見て、何か感じたのか、
不思議そうに麗一は尋ねた。
すると、純はいつもの見せている笑顔をし、
何事も無かったかのように

「何もありませんよ」

「そうじゃ、おぬしが来たせいで将棋が出来なかったではないか」

「いや、そんなの知らねぇしよ・・・」

将棋の駒を壁にぶつけている白牙に麗一は、
少し苛立ちを表情に表すのだが、
すぐ落ち着いた表情になり、ソファーに座わった。

「何か依頼でもあったか?」

「今のところ、そのような事はありませんが、今日の白牙さんのスケジュールでは、
この前、渡した書類をもう一度、書き直して、また会社に届けます」

「・・・・・・!!」

 ―スケジュールまで考えているのか、
コイツ・・・。

純の仕事ぶりに思わず関心してしまう麗一。

 ―それに引き換え、俺は・・・。

自分の不甲斐なさに麗一は肩を落とす。

「大丈夫じゃ。
おぬしもそのうち、できるようになる」

「そうかぁ?」

「そうですよ。
麗一さんなら、きっと出来ますよ」

「ならいいけど・・・」

自分の行く先に不安を感じる麗一に対し、
白牙は書類の書き直し、純は書類の整理を
していた。

 ―いいよな、こいつらは仕事があって・・・。

ちゃんとした仕事がある二人に麗一は、自分にでも出来る仕事を探していると







「すみません、ちょっといいですか?」
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