死神探偵

□第一件
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 ―死神界
「昨日も今日も変わねぇな」
「仕方ないだろな」

二人の死神が話しているそばで・・・

「行って来る」

一人の死神が立ち上がった。

「お前、どこへ行く気だ?」
「人間界だ。」
「「えっ!?」」

死神は黙ったまま、歩き出す。
闇の向こうにある扉を目指して・・・

「全くだな、人間界というものは」

ひとり呟いているうちに、《人間界》と
書かれている扉の前にいた。

死神は両開きの扉を押す。
ギィィィと音をたて、扉を開くと
そこには、人々が通る道やビルなどの建物が広がる人間界だった。

「俺様を行かせることに…」

ヒュッと死神は人間界飛び立った。

「感謝しやがれ、人限ども」
     
 ―人間界

「では、これで終わりまーす」
「起立」「礼」

ガタガタと椅子や机を運ぶ音が教室に響く。

「……」

関原 麗一は静かに窓の外に広がる空を
眺めていた。

「はぁぁ―…」

ため息をついていると、同級生から

「関原、早く机を運んでくれよ」
など言われた。

仕方なく麗一は教室を出た。

学校を出た時にはもう日は暮れていた。
 ―久しぶりだな、外に出るの・・・。
事実、麗一はある事情で学校を休んでいた。
 ―二ヶ月前の事だった。

それは麗一が入学して間もない事だった。
高校で友達と遊びながら帰ったため、
辺りは暗くなっていた。

「ただいま」

麗一はそういいながら、自宅へとはいった。

「……?」
妙な静かさだった。
麗一は恐る恐るリビングへ向かった。
リビングへはいるとそこにはありえもしない光景が目に飛び込んだ。







「父さん、母さん!?」

両親はうつ伏せの状態で倒れていた。
血だらけになって…―。
「父さん、母さん!!」
必死に両親を呼びかけるが、
返事はなかった。
両親は、帰らぬ人になってしまった―・・・。
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