死神探偵

□第二件
2ページ/6ページ

話が終わった後でもまだ雨はやむ事はなく、
さらに激しさを増すばかりだった。

「その話を聞く事では、お前が帰った頃は
もう両親は殺されており、この人間である
西尾はアルバイトという奴に出ていた。
という事だな」

ゼロの言葉にコクリと頷く麗一。

「まあ、今の話で大体の事は・・・」


「解けた様なもんだな」
「ハアッ!?」

ゼロの急な発言に口をあんぐりとする麗一。

「実に簡単なものだな」
「じゃあ、早く謎解きしろよ」

ゼロにそう言う麗一だが、ゼロは―・・・


「無理だな」
「なっ!どういう事だよ!!」
「まだ肝心なところが分かっていない
からな。今はまだ無理だ。」
「だからと言っても―・・・」

ガチャリ

「ただいま。麗君」

一人の女性がリビングに入ってきた。

「あっ、おかえり。」

入って来たのは、麗一の知り合いのおばさん
である西尾だった。
西尾は麗一の隣にいるゼロに気が付いたのか
ゼロの事を麗一に尋ねた。

「そちらの子は・・・?」
「え、えーっと・・・」

 ―こいつはどうすればいいんだ!?

麗一はちらりとゼロのほうを見ると、
ゼロはフッと笑みを見せ・・・


「麗兄ちゃんの友達の弟です!」

ゼロはニッコリとキラキラとした笑顔を
見せ、西尾に自己紹介をした。

 ―ええっー!?

ゼロの笑顔に軽く引いている麗一に対して、
ゼロはまだ笑顔を見せていた。

すると、西尾は

「そうなの?麗君」

西尾の言葉にハッと気づき、麗一は

「そ、そうなんだ。こいつ俺の友達の弟で、
暇だから遊びに来たんだ」

焦りながらも、西尾にちゃんとした
嘘の事情を話した。

「それなら、ごゆっくりと」

西尾はそう言ってリビングを出た。

「「・・・・・・」」

しばらく黙っていた二人だったが、
ゼロは少し小さめの声で

「人間と言うのは、あんな手がかかりやすい
ものなのか?」
「お前本当は悪魔だろ?」

麗一は苦笑いでゼロに言うと

「あんな手で俺様を悪魔というのは、
酷い話だな」


ゼロは呆れながら麗一に言った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ