短編 小説

□生きた天使
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人間と天使の恋…

決して恋をしていけない同士…。



それは、普通の事である。
ここは普通の高校だし。
特に変った事は無い。

ただ、この学年、
いや、クラスには

一際目立つ
真っ白で綺麗な髪を持つ少女が居た。

名前は天宮使南。

他の女子みたいに
笑ったり、遊んだり
話したりもしなくて、

全てを客観的に見てる存在でもあった。

そんな彼女に
俺は、恋をしてしまったのだろうか…。

彼女を見たくて、話してみたくて

朝一番に学校に行った。
いつもは、遅刻ギリギリだった俺だった。



「天宮、おはよう…」


「おはようございます」

ただ、それだけの言葉だって
嬉しかったのかもしれない。

「天宮っていつも朝早いよね。
どうして?」

「貴方に教える事ではありません。
失礼します…」


誰よりも純粋で、
誰よりも純白だった。



「龍ってさ、
天宮の事…好き、なの?」

「はっ!?
おま、え…」

「図星か…」


男友達に囲まれての尋問だった。

「天宮って、実は…―だって」

耳元で囁かれた言葉に
一瞬ゾグッときた。

「取って食われるぞ、お前…」

「龍は普通に可愛い子と彼女作って、
いちゃついてたら良いって」

「で、でも…俺は」

笹塚龍は、普通に
顔が整っていて

いわゆる、格好良い。と呼ばれる存在。

高校に入っても、クラスメートから
先輩まで告白されて、

全て、その誘いを断っていた。
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