基本的、飴。
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時々、コンビニとか駄菓子屋で見かける、お菓子の中に紛れている、不思議な食べ物を見て思った。

そのお菓子は、大抵、元より2種類の味があって、それを同時に食べると、他の味が出てくるというものだ。













































「おとうさん。赤ちゃんはどうやってできるの?」

子供なら、一度は親に訊いてみること。だが、親的には、非常に答え難い。

子供に、実際のことを教えてあげられない場合、ここは、一般的逃げ道のおしべとめしべで例えて話をすべきか。

だが…それではつまらない。

そんなことを思った馬鹿がいた。いや、天才かもしれない。なんせ、馬鹿と天才は紙一重と昔から言うではないか。


「子供が、どうやって産まれるか。それはまず、男味と女味の飴ちゃんが必要なんだよ」

子供は首を傾げる。

「あめ?あめならいっぱい持ってるけど、男味と女味はないよ?」

父は子に説明する。
その飴は、大人になると神様から貰えるんだ。その飴を使って、子供をつくるんだよ。
 

ちなみに、おとうさんになる人は男味。おかあさんになる人は女味を貰うんだ。

そして、大好きな人が出来たとき、相手の飴と自分の飴をおかあさんとなる人の口に入れるんだ。

子供のつくり方はまず、その飴を口に含む。しばらくすると、男味と女味の飴が混ざって新しい味が生まれる。

その味の名前は











子供味。


















それが、子供なんだよ。


父は子に説明する。
子は父に質問する。

「だから赤ちゃんはおかあさんから生まれるんだね!」

おかあさんが飴を食べるから…
子供は無邪気に笑う。

そう。無邪気の方がいいのだ。なんせまだ、子供なのだから。

だから、こんなファンタスティックなお話を創ってしまってもいいじゃないか。















基本的、飴。 <完>

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