ぽつん
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孤独を知っていますか?

私は時々、孤独に会います。

ほら、今もまた

孤独の足音が聞こえる…






































何もしていない、何もすることがない。そんな暇を満喫していた私は、ふと寂しさを感じた。

それからというものは、そわそわして、なかなか落ち着けない。

家中を無意味に歩き回って、時間を潰そうとするけれど、それはただの一般民家。5分間も歩き回るスペースがない。

同じ場所をぐるぐると回るのにも飽きて、限界を感じた。

だが、立ち止まっても暇なだけ。

どうするものかと悩んだ末、結局、元の位置に戻り、ゴロゴロと寝そべっていることにした。



――――――チ、カチ…



その時、ふと聞こえた音に耳を傾ける。

――――カチ、カチ、カチ、カチ…

その音は、規則的にずっと鳴り続けていた。
なんだか、この音を聞いていると、暇が潰れる気がする。

音の正体は、一秒毎に動く、時計の針――秒針の音。

いつもいつも鳴っているはずのその音は、だが普段は聞こえない。

どうしてだろう。

その答えは簡単だった。
ただ、静かなのだ。いつもと違って、時計以外の音を発する存在がない。

しんとした空気の中で、時計だけがその義務を果たす。



最初は聞いていて、暇が潰れると感じた音も、それに気づいてからは、とてつもなく時間が長く感じ、それと同時に孤独を感じた。


きっと、孤独な人はいつもこの時計の音に励まされているんだな。














孤独になると聞こえる、孤独の足音…














それは、意外にも
身近な存在だった…
















普段は存在を主張しないソレも

















人が孤独を感じると













音を発して



















『ひとりじゃないよ』












そう言って励ましてくれる…

















ぽつん <完>

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