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□神なる子
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東西南北の中心にある学校ノエンティアーク…各国々の皇子・皇女が国をまとめる知識。基礎教科・政治・美学などを備える王族の為の学校。
学校の主な年齢層は14歳〜18歳までの4年制だ。

王族しか入れないこのノエンアークに今年は異例な事が起った。
クライスの神の子…名をシェリロエル。
そのシェリロエル皇子がお気に入りだからといって庶民を入学させたのだという。由緒ある学校だったので反対の声が強かったのだか、神の子の肩書きを持ったシェリロエルに逆らえる者などいなかった。
皇子のお気に入りの庶民の名はリデル。皇子いわく幼なじみと言うことだ。(リデル本人は否定してるらしいが…)
いくら幼なじみだからといってここでリデルが得られるメリットは少なかった。
庶民のリデルに国を纏める勉強など不必要だったし、何より王族には魔法の授業があった。
魔法は4ヵ国以外の国にも授けられたからである。魔法を使えるのは王族としての象徴であった。

「おい!庶民!魔法使えよ!」
生徒1人が叫ぶ。今は防衛・攻撃の授業王族たるものいざという時己を守れるように…と言う教えだ。
「魔法なんて必要ない」
「そっかお前魔法使えないもんな」
それを聞いてリデルの表情が硬くなった。尚、生徒は追い討ちをかけるように言い続ける。
「庶民はいいよな。…楽で」
そういい遂げるとゲラゲラ笑い出した。


「はい。そこまで〜」
そこに第三者の声。
青みがかった銀髪に紫色の瞳の少年だった。
「っ…。シェリロエル…」
「シェリ」
リデルは気まずそうな顔をした。それを見越してか、シェリはリデルを安心させるようにニコリと笑った。

「コイツ、僕の親友でさ。…それにコイツは魔法を使わなくても強いよ。お前より…ね。リデル」
とびっきりの笑顔をリデルに向ける。それにリデルは思わずため息を付いてしまう。

何かの手違いなのだろうが自分はノエンティアークの新入学生としてリストに載っていたのだという。
異例の事態だったのだが、リストに載った者は必ず入学しなければならない。たとえ…今まで王族とはかけ離れている一般庶民だとしても。

話は戻るが…シェリは神の子として知られてるため、周囲から遠巻きに見られている。
そして、彼を神聖な人と考え崇めてる生徒も多い。
なにより、シェリロエルに逆らえば国が滅ぼされると噂も流れているせいか、さっきの生徒もいつの間にか逃げるしまつ。

「シェリ…君…今魔法学の授業じゃなかった!?」
「そ〜だっけ?」
「王族にとって魔法は大切なんだろ?」
「い〜のい〜の。あんなん小さい頃習ったし」
「そーだったね」
と言っても、2人共魔法学には出た事がなかった。
自分は魔法なんて学校を出れば必要無かったし(あったらあったで便利だが)異例だが免除された、シェリは特別視されてなんでもお手本にやらされるらしいから嫌ならしい。



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