僕らが居る場所

□4章
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「えーっと、まず校門から………」
麟は自転車を自分の傍に停め、校門の前に立つ。この時季、日が沈むのは随分遅くなってきだが、空はすでに月と星が照っている。
「あれ?何してんの?早く帰りなよー」
立ち止まっていた麟の後ろからひょっこりと顔を出したのは夏日班のハナと上杉兄弟。
「今から帰るんだろ。家はどこ?」
尋ねてきたキャプテンに持っていたメモ紙を見せた。そこには簡単な地図が書かれていた。
麟は今朝迄ホテルから通っていたのだか、今日は新居に帰るらしい。
「此処、カバとリョウの家らへん?」
「今日はリョウ来てないもんなあ。」
上杉の二人は麟のメモ紙を見ながら互いに言い合った。
「オンナノコだから送ってあげたいんだけど、反対方向だから‥‥‥ゴメンねぇ‥‥」
花房は微苦笑をみせながら、上杉達と共にその場を去って行った。そして、一時もたたぬうちに姿は闇のなかへ消えていった。
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