僕らが居る場所

□4章
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麟はその人に言われるがままに、自転車を車庫の奥に停めると、開いたドアから漏れる光の中へ入っていった。



光の中は紅梅の馥郁たる薫りが漂っている。



「あぁ、麟ちゃん!荷物持ったままで悪いけど、リビングに来てくれる?」
「あ、はい」
「うちの子と、麟ちゃんと同じ下宿生を紹介するわ♪」
家主の女性は玄関から入ってすぐ左のドアを半開きにしながら言った。
麟も言われるままにカバンを持ったまま家主についてリビングに入った。





この家にはどれだけの者が居るのだろう?
どんな者が居るのだろう?
男は何人で、女は何人で…
何歳の人が居るのだろう?


麟の緊張はおさまることを知らない。
おさまるどころか、震えが大きくなるばかりだった。
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