僕らが居る場所

□4章
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「え−と、階段上がってすぐ右が俺、その奥が寛人、俺向かい…つまり左が諒君、君は左奥ね!てふは下の階ね」
久志が麟の荷物を手に説明をしていった。
「そこ邪魔」
階段の上で往生していると後ろから寛人に押し退けられた。
「おいおい!女の子相手に…」
「大丈夫だろ…野球部してるくらいだし…女も何も関係ないだろ?」
そういいながら寛人は自室に入っていった。
「へ−野球部!マネとかじゃねえの?」
「はい!ピッチャーやってます♪」
麟の部屋の鍵を開けながら、久志はにっこり笑った。
「そっかあ!ピッチャーかぁ」
中に入るなり、荷物を置くと部屋からすぐに出て麟の腕をつかんだ。
「えっあの…ちょっっ!」そのまま麟の隣の部屋へと入った。
諒の部屋だ。
「…何…?」
諒は机に向かった椅子に座ってグラブに手を入れ、球を握っている。右利きだった。
「彼女…投手らしいよ!」
久志は麟の肩を持って前に押し出した。
「投手?」
はめていたグラブを外して机に置くと立ち上がって近づいた。
そして…麟は驚かされる。「結構肩しっかりしてんな…」
目の前に立ったかと思うと両肩を捕まれた。
「コイツ野球馬鹿でさ、同じ投手と聞いたら、そりゃあ嬉しいんだよ」
「嬉しかね−よ…」
キッと久志を睨み付けると麟の肩から手を離した。
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