過去と未来の境界線


□はじまり
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それは 今から10年前に遡る。
俺(翔)が6歳の頃。普通の両親と兄4人で、楽しい毎日を過ごしていた。が、裏では違った。
父親が、いわゆる"ゲイ"だった。
たまたま 父親と ある男がキスしていたのを見てしまった6歳の俺。
どうゆうことか、いまいち理解できなかった。だから 家に帰って 母親に聞いた。
そして俺は、キスしていたことを母親に言ってしまった。

これが悪かったんだ。その後 すぐに両親は離婚。俺が秘密にしておけばよかったのかもしれない。
でも6歳の俺には そこまで思考が回らなかった。

両親が離婚してから3年後、9歳。母親は病気で亡くなったらしい。一方俺は、父親と2つ上の兄と一緒に暮らしていた。父親は 毎日仕事の帰りに 酒を飲んでは 息子に暴力。そしてゲイは 続いていた。家事は全て兄の役割だ。

そして…
そのまた3年後。父親は事故で亡くなった。酒で酔った勢いで 道路に飛び出したから。

そして現在に至る。
俺は高校1年。兄が高校3年。よくここまでやってこれたと思う。




キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴ってもお構いなしに 賑やかな教室。…いや、校舎。

どどどどどっ ガラッッ


『っはあ、はぁ……』

「おはよう翔♪先生まだ来てない〜」


…というわけで、
おはようございます、島原翔です。
さっそく遅刻すみません。


『おはよー千洋』

「うん、さっすが翔★足速いねぇ」

この可愛いオーラ出まくりなのは、
親友の 北条千洋。唯一、心許せる友達。


そしてここは 男子校。
共学ではなく、男 子 校 。
だから こういう可愛い奴がいると、いくら男でも…、


「千洋チャンこっち おいで?」

「チャン付けないでよ〜やだッッ」


盛る奴はいる。無理もない。
つか、腕掴まれてるし、痛い痛い痛い


『千洋…痛いんだけど;』

「っと、ごめんね…?」


まあ、確かに可愛いんだけど。
力だけはかなり強いから びっくり。


「千洋チャン、先生来た」

「ありがと蒼依♪でもチャンはやめて〜」


堤蒼依。あいつは絶対千洋を狙ってる。
俺にしては まぁ どうでもいいことだけど。

俺はというと、別にクラスで目立っているわけではなく、普通に。
だから ……


「千洋チャンて島原翔と仲良いの?」

「うん★1番の親友だからッ♪」


こうゆう会話も しょっちゅうある。




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