ふたり
□拾壱話
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【靴箱前】
『……ゲッ…サド…』
「よっ神楽ちゃ〜ん。一緒に帰ろうぜ」
『何ネお前。テメェが名前で呼ぶなんてキモイアル。……部活はどうしたアルか』
靴をとりに靴箱へ向かうと、玄関先にヤツがいた。
「部活は休みでィ。…ちょうど日直で残ってるらしいから、今日くらいは彼女と帰ろうかと思ってねェ」
ニヤリと笑うサド。
『……おことわりするアル。私1人で帰るヨ。早く帰ってドラマの再放送みたいのヨ』
「そんなん俺だって同じでィ。けど、今から出ても帰り着く頃にはドラマも終わってるだろうし、辺りも暗くなりまさァ。それに暗くなった道を女1人で歩かせる訳にもいかねえし、ウチまでおくってやるって言ってんでィ」
『……………仕方ないアルな。そんなにおくりたいならしょうがないから一緒に帰ってやるネ』
「しょうがないって言うな。……お前は相変わらず素直じゃないねェ」
『ハイハイ、じゃあ帰るヨサド野郎』
「へぃへぃ…ったく」
こうして、今日はサドと帰る事になった。
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