ふたり

□拾弐話
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《沖田宅前》




『…遅ぇ』




「仕方ねーだろ、お前んちがわかんなかったネ」




『地図渡しただろ』




「地図なんて貰ったって、私には有ってないようなもんヨ」




『…要するに読めなかったって言いたいのかィ』




ったく、自分から来るっつっといて遅刻なんざ有り得ねーでさぁ




「それより早くお前のボロアパート入れろアル」



『誰がボロアパートでィ。ぶっ殺されてーのか』








──────────────





ガチャ



「お邪魔しますヨー」




『姉さーん、連れてきましたぜ』




パタパタ…




「あら、いらっしゃい」



俺が声をかけると姉さんは満面の笑みで玄関に来る。




「…」



『姉さん、コイツが俺の彼女でさァ』



「まあ可愛い彼女さん!私はそーちゃんの姉のミツバです。アナタのお名前は?」



「…カッカカグラ」



「カカグラちゃん?」



『違いまさァυ神楽です』



「神楽ちゃん?可愛いお名前ねっこれからよろしくね神楽ちゃん」



「ヨロシクオ願ゲーシマス」



『オイ、しゃべり方がどっかの猫耳のオバサン見たいになってるぞ』



「ナンノコトネ」




………コイツまさか…緊張してやがるな




「ふふっ…さぁ神楽ちゃん、中に入りなさいな」











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