ふたり
□拾弐話
3ページ/3ページ
《沖田宅前》
『…遅ぇ』
「仕方ねーだろ、お前んちがわかんなかったネ」
『地図渡しただろ』
「地図なんて貰ったって、私には有ってないようなもんヨ」
『…要するに読めなかったって言いたいのかィ』
ったく、自分から来るっつっといて遅刻なんざ有り得ねーでさぁ
「それより早くお前のボロアパート入れろアル」
『誰がボロアパートでィ。ぶっ殺されてーのか』
──────────────
ガチャ
「お邪魔しますヨー」
『姉さーん、連れてきましたぜ』
パタパタ…
「あら、いらっしゃい」
俺が声をかけると姉さんは満面の笑みで玄関に来る。
「…」
『姉さん、コイツが俺の彼女でさァ』
「まあ可愛い彼女さん!私はそーちゃんの姉のミツバです。アナタのお名前は?」
「…カッカカグラ」
「カカグラちゃん?」
『違いまさァυ神楽です』
「神楽ちゃん?可愛いお名前ねっこれからよろしくね神楽ちゃん」
「ヨロシクオ願ゲーシマス」
『オイ、しゃべり方がどっかの猫耳のオバサン見たいになってるぞ』
「ナンノコトネ」
………コイツまさか…緊張してやがるな
「ふふっ…さぁ神楽ちゃん、中に入りなさいな」
Next.