ふたり

□壱話
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《Aspect沖田》






俺の名前は沖田総悟。
俺は今恋をしている。


「やっぱり朝は早弁に限るネ」


モッサモッサ


不覚にもこの早弁している瓶底メガネのチャイナ娘に恋している
食べたものでほっぺたがパンパンのハムスターになった不細工な面さえ愛しいと思えるほど


『…お前、朝からそんなん食ってるとふとるぜ』


「うるせーなぁ…別に人の勝手だろーが。それにこんくらいじゃ私は太らない…Σあぁ!!」


『ウインナーもーらい』


…好きだから意地悪をしたくなる


「てめっ…何勝手に人のタコ様ウインナー食ってるアルか!!ああん!?吐けこんにゃろー!!」


『別にいいじゃねーかィ。そんなにいっぱいあるんだし。てかなんでウインナーと玉子焼きだけなんでさァ。沢庵丸ごとだし、飯は日の丸だし、もっと女らしいの作れねーのかよ』


「っるせー!!んなのテメーには関係ないネ!!指図すんなアル!」


『指図してねーし。ていうかうるさいでさァ…耳いてー』


「吐けよっ!!」


『…そんなに吐いて欲しいなら吐いてやるけど、吐いたあとどうするんでィ?アンタが食べてくれんのかィ神楽チャン』



「んなわけねーだろ!テメーなんかに食わせるぐらいなら吐いてビチャビチャのゲロになった方がましだって言ってるネ!!てゆーかキモイ!何急に名前で呼んでるアルか!?」


『…気分』


「はあ!?…もう知らないアル!話しかけんな!!」



たまにちょっと素直になったりするが、見事に通じない
まあ、わかりにくいっていうのもあるが


『鈍感』


「…は?何が?」


『別に』


ホント鈍感野郎。



ガラッ



「オイ総悟!!テメっ風紀員は朝校門に集合だってあれほど言っただろーが!!」



ヒュッ!!



そう言うと同時にシャーペンを俺に向かって投げつけてくる土方コノヤロー


ヒョイッ


俺はそれを軽々と避ける。


ヒョイッ


そのため隣の席のチャイナにシャーペンがいくが、俺が避けたと同時に避けた。



グサッ


「ギャアァアアァア!!!」



そして、チャイナの隣の席の長谷川さんにシャーペンがぶっ刺さった。



『あーあ。土方さんのせいで長谷川さん死んじまった』


「…ワリィ長谷川さん、わざとじゃねぇんだ」


「安らかに眠るアルマダオ…なむなむ」



チャイナは倒れた長谷川さんに向かって拝んだ



「ぉ…俺死んでねーから!!…ってギャアアア!頭に響く!!てか取って!血が止まんない!」


刺さった部分からボタボタと血が流れ出てる


ハンパねーくらい出てる



「長谷川さんっ大丈夫ですか!?」



それに気づいた志村弟が、駆け寄った



「大丈夫じゃない!!取って!!お願いだから取って!新八君!!」



「えっ!?ぼ…僕が?………………仕方ないっ!すみません、痛いだろうけど少し我慢して下さいねっ」



ちょっとためらいながら、シャーペンを抜いた志村弟



「イダダダダッ!!優しく!!優しくしてくれぇぇ!!」



ズポッ


「と、とれましたよ。…とりあえず血が止まらないですし保健室いきましょうか」


「コレ保健室より病院じゃね!?」



ゴチャゴチャ良いながら教室を出てった二人



「あれくらいで痛がるなんて男じゃ無いネ」



「ホントでさァ」



なんだかんだで、俺らは他人をいじるのが趣味なので気が合う
最も、土方さんはいじるだけじゃなく、軽く殺す程度じゃないとダメだが
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