ふたり
□弐話
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「それはね。恋よ」
『…恋?』
昼休み。
私は屋上で姉御と新八と九ちゃんと一緒に昼飯中。
今新八は飲み物を買いにパシられていないけど、新八がいなくなったあと姉御に元気がないと言われてさっきあったことをはなした。
そしたら恋だといわれた。
「そぉ、恋よ。神楽ちゃんは今沖田さんのこと好きなのよ」
『…わかんないアル。好きだとか恋だとか…どー言うことアルか?』
「うーん…そうね〜…例えば神楽ちゃん。沖田さんのこと見てて胸の辺りが苦しくなったりしない?」
『………ちょっとだけ』
「それと、近くにいるだけでドキドキするとか」
『するアル…』
「あとはそうね…沖田さんが他の女の子としゃべってるとイライラするとか」
『うん、するヨ。無性に殴りたくなるネ』
「それが恋なのよ」
『ぅうう……わかんないアル。納得いかないネ…私があんなサディストでにやけ面でウザい奴に恋アルか?……ありえないアル』
「あらあら。沖田さんはあんなに積極的なのに…ね〜九ちゃん」
「ホントだな。わかりやすいくらいだぞ」
『九ちゃんは…恋とかわかるアルか?』
「そうだな…僕はよくわからないが…神楽ちゃんが恋しているってことは見ていればわかるぞ」
『そーアルか…』
「とにもかくにも神楽ちゃんが自覚しなきゃ始まらないわ」
『なにがアルか?』
「だから、2人の恋よ」
『2人?…アイツ私のこと好きアルか?』
「えぇ、ベタぼれよ。あの人は」
『マジでか!』
ガチャ
キィ
ふらっ
「はぁ…はぁ……買ってっ…きましたっ…よ!」
バサバサ、ゴトッ
↑
大量のパンと4人分の飲み物
『おお、新八にしては早かったアルな。息切れしてるけど』
「新八君…大丈夫か?」
「…な…なんとか…」
「ご苦労様新ちゃん。今度はお箸忘れたから割り箸もらってきて。学食のおばちゃんに」
「またですか!そーゆう事は行くときに言って下さいよ!!なんでそんな面倒な事させるんですか!?てゆーか弁当あるなら買わせないで下さい!!」
「良いからもらってきなさいな」
にっこり
「……ハイ」
トボトボ
キィ、…パタン
「妙ちゃん、ちょっとこき使いすぎではないか?υ新八君が可哀想だぞ」
「そんなことないわよ。それより神楽ちゃん、沖田さんのことちゃんと考えてあげるのよ?」
『…ウン、分かったネ。一応考えてやるアル』
「クスッ…素直じゃないわねぇ」
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