マスターとボカロ達
□喧嘩するほど仲がいい
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「まっすたぁー♪」
そう言って入ってきたのは、カイトと同じだが低い声。
「アカイト」
「一緒にハバネロ(お菓子の方)食わねぇ?」
小春は顔をしかめた。
見れば手の中にあるのはアイス。向かい合わせに座るのはカイト。
「んだよー。アイス食ってんのかよ」
アカイトはハバネロの入った袋を持って小春の隣に腰をおろす。
「アイスが食べ終わってからでも」
「いや、いい。甘い物の後に辛い物食べたら、気分悪くなるし」
アカイトは、カイトの方を見た。それはすごい形相で。
「カイト!マスターにお前の好み押し付けんなよ!」
「えっ?でも、マスターも"ちょうど食べようと思ってた"って…」
「でも大方お前が食わせたようなもんだろうが!」
「ただ一緒に食べてるだけじゃないか!何が悪いんだよ!」
喧嘩が始まる。
小春はため息をついた。
なぜ食べ物のこととなると、この二人は喧嘩を始めるのか…普段は兄弟のように仲がいいのに…
「絶対アイスの方が美味しい!」
「いいや!辛いものだ!」
「甘いもの!」
「辛いもの!」
だんだんヒートアップしてくる言い争いに、小春は頭を掻いた。
「わかった。両方食べるから」
「マスターは黙ってろ」
「これは戦いなんです!甘いものと辛いもの、どちらが天下をとるかの!」
そこまで発展する?
小春は思い、ため息をついて、二人の争いを見ていた。