マスターとボカロ達
□一期一会
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小春は朝からご機嫌だった。鼻歌を歌いながら、キッチンへ食器を洗いに行く。
「マスター、何かいいことでもあるんですか?」
リビングからミクがきくと、小春は満面の笑みを返した。
「今日、友達が遊びに来るから♪」
ボーカロイドたちは驚いた。そんなこと、一言もきいてない。
「ちょっとマスター!何で私たちに言ってくれないのよ!」
「……言ってなかったっけ?」
「言ってないから驚いてるんじゃない!」
メイコの言葉に、小春は笑ってごまかす。
「ま、悪い子じゃないから、仲良くしてあげてよ♪友達もボカロ連れて来るって♪」
小春は言って、食器を洗い始めた。
リンとレンは、これから来るであろうマスターの友達について話し合っている。
「友達さんは、誰を買ったのかな?」
「でも、同じ顔っていうのもややこしいよな。どっちがどっちか、わかんねぇワケだしさ」
「ま、大丈夫だろ」
アカイトがソファに深く腰掛けて言う。
「俺たちも、同じ顔で仲良くやってるしな」
「でも、俺たちは色が違うから見分けがつくんじゃないかな?」
「まぁ、そうだけどな」
そんなことを話していると、インターホンが鳴った。
「来た♪」
小春はルンルンと言う調子で玄関へ行く。ボーカロイドたちも、マスターの友達を迎えるべく、玄関へ集まった。
小春は、笑顔でドアを開けた。