マスターとボカロ達
□雨に濡れて露恐ろしからず
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「どうしたんですか!マスター!!」
ドアを開けると聞こえてきた、カイトの驚いた声。それもそうだ。小春はびしょ濡れで帰って来たのだから。
「さっき雨に降られちゃって」
「大丈夫ですか?!風邪ひきますから、お風呂入って体を温めた方がいいですよ!」
「うん、そうする」
小春は家の中に入り、中を見回す。
「あれ?ミク達は?」
家にいるボーカロイドはカイトだけだった。カイトは
「ミクとめーちゃんとアカイトは、買い物に行きました。リンとレンは、ロードローラーでドライブに」
「…免許持ってないよね?」
「マスターの実家の裏山を走ってくるって行ってましたよ」
裏山は大丈夫だろうか。小春はそんなことを思いながら風呂場へ向かう。
濡れた衣服を脱衣籠に入れた後に気付いた。
「あ…タオルないや…」
よりにもよって、脱衣所にタオルが一枚もない。
(まぁいいや。後でカイト持って来てくれるだろうし)
「確かタオルがなかったはず…」
ドアが開いた。
互いに目が点になる。小春は下着姿で立ち尽くしていた。
「ひぁあああ///」
「わっ!す、すみませんっ///」
「こんの、バカイトーー!!!」
「わざとじゃないんですー!!!」