c裏ブックc

□声だけで堪らない。彼は一人で…。
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夜中…。




電話がかかってきた。






『声だけで堪らない。彼は一人で…。』











眠くて重い瞼を開けられず、手探りで携帯を手にして受話器をとる。




「……………はい」
「獄寺?」




山本からだった。




山本は合宿中。
忙しくて、暫くメールも電話も出来ずにいた。

久しぶりの恋人からの電話はとても嬉しかった。

だが真夜中にかけてくると、こうも機嫌が悪い口調になってしまうではないか。



「なんだよ夜中に。」
「ごめんごめん。忙しくてメールとかしてやれなくて……。でも今なら平気だから!」
「だからってこんな時間にお前………。」
「この時間のが…いいと思って。」
「…………は?」

一つトーンが落ちた声で言われた。


「どういう意味だよ?こっちは眠ぃぞ。」
「獄寺…声聞けてよかった」
「聞けよ」
「今な、外に一人で出てるんだー。静かで…夏だけど結構涼しいぜ?」
「おい!!」
「なぁ…獄寺、貯まってね?」
「はっ???!!!!!」

突然そんなことを言うから呆れて声が裏返ってしまった。


「抜きたくねぇか?」
「てめぇ人の話聞かないで何変なこと言ってやがる!!!」



怒ったら…

「ははっ…悪ぃ悪ぃ!!」

笑われて…

「俺…貯まってて…。合宿中…獄寺に会ってもないし、声も聞いてないしさ。ヤりてぇなぁ〜って」
「は……!!??寝ぼけてんのか?どうやってヤんだよ…」




バカかコイツ。





そう嘲笑ってやると
脳天気な声が帰ってきた。






「テレフォンセックス〜♪」













「……………………は?」









「じゃぁ…まずズボンん中手を突っ込んで…」
「おいっ!!!!一人で誰がヤるか!!!!」
「いいじゃん。大丈夫大丈夫〜!!今からヤるのは全部俺にヤられてると思ってな。」
「ふざけんじゃねぇっ…!!!久しぶりに電話来たと思ったらテレフォンセックスだって………意味わかんねぇ!!!」





怒鳴り散らしたとしても
相手は止まることなく次々階段を踏み締めて行く様で…。





「ズボンの中に手を突っ込んだ?次は人差し指で亀頭ツンツンして?」
「なっ…バカ!!!話聞いてる方が恥ずかしいだろ…!!つか!やめろ!!切るぞ!??」








でも、

いつの間にか自分の手は


自分の自身を攻めてしまっていた。








「獄寺…気持ちイ?」
「ヤって、ね…っ!!誰が一人で…!!!」
「そ?……でも獄寺、声…感じてる声だよ?」
「っ…………??!!!」
「次な。指全部使って獄寺のをなでなでしてごらん?」
「んっ……くっ…ぁ………」



また手が勝手に動いて指示された通りにしてしまう。



「ほら…ヤってるんでしょ?」
「ヤって…な…………」
「我慢しないでな?」




「獄寺が一人でも…ちゃんと寂しくない様に気持ちくしてやるから。」
「アッ………や……ん…っ…」



「次は…揉んで?」
「……はぁ……はぁ……やっ…………だ……」





でも手は止まらず。







山本の指令を受けるのを待っていたかのように。





俺の手は素直に指示された所を弄ってゆく。
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