Novel


□聖夜
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次の瞬間、その馬鹿狐は俺の目の前にいて……瞬歩使いやがったな!無駄な事を…つか今は隊首会中だ!!(たとえ議題が阿呆臭くても)
俺は苛立ちを露にして睨み付けた。


「何だよ、市ま「冬!デート行こ!!」」


は?と聞き返す間もなく俺はこの馬鹿狐…もとい市丸ギンの肩に担がれた。そして市丸と俺は隊首会が行われているこの場から立ち去った……ってんなわけあるかぁぁぁ!!


「てめえどういうつもりだ市丸!!」


俺はそう怒鳴りながら市丸の鳩尾辺りに蹴りを入れた。それは見事にヒットし市丸は「ごはぁっ!?」と変な声を出してぶっ倒れた。

同時に投げ出された俺は見事な着地を決める。
そして足下に転がる市丸の胸ぐらを掴んだ。


「てめえ…なんでそう考え無しに行動するんだ……!言ったよな?公共の場では慎めって」


声は出来るだけ小さく。
他の隊長達に聞かれたくない。阿呆らしい。


「公共の場では……?」

「そうだ!」と勢いで返した後、俺は後悔した。まんまと罠に嵌まったのだ。

市丸の笑みが深くなる。
笑みの深くなった口から出てきたのは実に予想通りの言葉。


「じゃあ公共の場じゃなかったらナニしてもエエ「わあああ───!!!」


今度は俺が市丸を引きずり、瞬歩を使ってその場を離れた。
俺は真っ赤になっていたと思う。



離れていく二つの霊圧を残された十一の隊長は感じ、先程総隊長の気紛れに対しての反応と同じような反応を示した。

ばらばらの護廷十三隊。
しかし、これでも上手く尸魂界はまわっているのだ。

尸魂界は、護廷十三隊は今日も平和である。




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