Novel


□Change!?
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ある日の夕方。

瀞霊廷内の十番隊隊舎を、背中に三の文字が書かれている白い羽織を着た、銀髪の死神が歩いていた。

三番隊の隊長である彼は本来、こんな所にいる筈は無い。

だが、彼、市丸ギンは自分の隊舎であるかのように平然と歩いていた。十番隊の隊員達もそれを不審にも思わず、すれ違いざまに会釈をして行く。何故なら──


「市丸隊長、お疲れ様です。今日もいらっしゃったんですね」

「当たり前やー。日番谷はんに会いに行くのは僕の日課やもん」


市丸が毎日、ここ、十番隊隊舎にやって来ていたからだった。


市丸が日番谷にべったりなのは瀞霊廷の人間なら皆が知っていた。しかし、市丸の事を日番谷が内心どう思っているのかは、誰も知らない。何故なら本人に確かめようにも、そんな事を訊けば氷漬けにされる事が目に見えているからだ。


失礼します、と再び会釈をして十番隊の隊員は去っていった。


「日番谷はん……いや、冬。まだ仕事してはるかな」


市丸と違い、真面目な日番谷は恐らく、まだ執務室にいるだろうと思い、市丸は十番隊執務室に向かった。




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