Novel
□GIFT
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草冠は正座して日番谷を見つめていた。草冠にしては珍しく自信無さそうというか不安げな表情である。
「冬獅郎」
「な、何だよ…急に改まって」
「もうすぐ冬獅郎、誕生日だよな」
「まあ、そうだな」
「予定、ある?」
「いや…別にねえけど」
訝しげに日番谷は草冠を見上げる。草冠は意を決した。
「じゃあ誕生日の日に「シロちゃーん、いる?」…」
草冠の言葉は扉の向こうの誰かに遮られた。
日番谷は立ち上がって扉を開けに行った。
扉の向こうにいたのは予想通り、日番谷の幼馴染みの雛森だった。
「シロちゃん言うなって。ていうかどうしたんだよ、雛森」
「あのね、もうすぐシロちゃん誕生日でしょ?」
「ああ、さっき草冠にも言われた」
草冠はなんだか嫌な予感がした。
「そこでね…」
お願いだからその続きは予感とは違うものであってほしい、そう思った。
「誕生日会をしようかなって思うんだけど、どうかな?」
そう言って、雛森は嬉しそうに笑いかけたが、草冠にはそれが何か違うものに見えた。
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