Novel


□聖夜
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12月23日。
総隊長の今朝の隊主会での第一声は

「現世では明日から二日間は『くりすます』という日らしいな」

だった。

その言葉を聞いたとき、俺以外の十一の隊長達も俺と同じようにこう思っただろう。

また総隊長の気紛れだ、と。


総隊長が気紛れであること──それは隊長達だけでなく護廷十三隊の誰もが、口にしないだけで思っていることだった。


いつも、今度の気紛れな企画はなんなんだと呆れながらも先を促す隊長や、我関せずといった表情で無言の隊長、はたまた俺のように呆れて無言のままという両方を半分ずつとったような隊長がいる。

ふと右隣の涅を見れば、奴は明後日の方向に視線が向いていた。ぱっと見は起きている。が……長年この位置にいた為か、気づいたのだが奴は今、寝ている……多分。

右斜め前の更木からはいびきが聞こえる気がするのだが。


どうしてこうもまとまりがないんだ。
俺は少しだけ護廷十三隊の危機を感じた。


そう俺が思っていると、藍染が「どのようなものなのですか?」と総隊長に尋ねていた。
どうやら藍染は一番目のタイプらしい。なんというか…予想通りだな。

総隊長はふむ、と頷くと、『くりすます』について説明し始めた。




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