Novel


□過去拍手お礼文
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ある朝のサプライズ
〜草日院生時代話〜



ある日の朝、俺は冬獅郎の部屋にいた。冬獅郎はまだ布団の中だ。布団にくるまって丸まってる冬獅郎は、すごく可愛らしかった。俺は眠っている冬獅郎を揺すりながら、声をかけた。

「冬獅郎、起きろよ。遅刻するぞ」

「んー、草冠……」

冬獅郎からはその言葉だけが返って来た。そして冬獅郎はまた動かなくなった。静かに寝息だけが聞こえる。

「って、やっぱり起きないか…」

冬獅郎が朝弱い事は知っている。冬獅郎は夜、勉強しすぎたりとか、つい夢中になって本を読んでいたりしていて夜更かし気味なのだ。

そして昨日冬獅郎が、いよいよ霊術院に遅刻しそうになった為、今朝、俺は冬獅郎を起こしに来たのだ。

もう一度、肩を揺すってみる。

「草冠……?」

重そうに、瞼がゆっくりと開かれ、綺麗な翡翠の瞳が覗いた。冬獅郎は起き上がった。けどまだかなり眠そうだ。虚ろな瞳がこちらを見つめている。

「やーっと起きたな。ほら、早くしないと今日こそ本当に遅刻する「草冠…大好き……」………は?」

夢だろうか。冬獅郎を起こしに来た筈なのに実はまだ俺も寝てたのか。だがそんな筈は……。

「冬獅郎…もしかして、寝ぼけてる?」

ううん、と言いながら、冬獅郎は首を横に振った。
じゃあやっぱりこれは夢なのか。そんな事を考え、そうだよなと一人がっかりして、少しうなだれていると、自分の首に温かさが。

──冬獅郎の腕、だった。

「ちょ、冬獅郎……っ!?」

驚き、慌てる俺にもう一つサプライズ。なんと冬獅郎は俺の首に腕回した状態からキスをしてきた。しかも……唇に。

そして、唖然とする俺の前で、何事も無かったかのように冬獅郎はまた布団に倒れこんだ。

……俺の中では二つの行動が意見を戦わせていた。一つは、冬獅郎をもう一度起こして、霊術院に行く。そしてもう一つは………据え膳食わぬは何とやら。

答えは勿論……

「いただきます!」









その日、成績が学年1、2位の二人が遅刻したのは言うまでもない。


「ばか草冠」
「酷っ」


Fin


あとがき
ありがちネタですm(__)m
寝ぼけた冬獅郎…
さぞ可愛い事でしょう(笑)


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