Novel


□聖夜
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「『くりすます』とはな…現世のとある宗教の神様の誕生日を祝う日なんだそうじゃ。現世ではその日色とりどりの電飾や飾りが家や街や施されたり、人々は互いに贈り物を贈り合ったりするらしいんじゃが……まぁ所謂お祭りじゃな。24日を『くりすますいぶ』といい、25日は『くりすます』というらしいんじゃ」


お祭りって……年末のこの忙しい時にそんなことしてる場合じゃねえだろうに。現世って意外と暇なんだな、俺は思った。

総隊長は続けた。


「そこでじゃ。明日から二日間、護廷十三隊全隊員全ての職務を休んで『くりすます』を祝おうと思うんじゃ」


死神である俺達が現世の神様の誕生日を祝うのか?なんだか変な感じだな。

………つか今総隊長とんでもねーこと言わなかったか?


『護廷十三隊全隊員全ての職務を休んで』?

『二日間』も?


この年末の忙しい時に?
さすがにこの発言には全ての隊長が驚いているようで、場が騒然となる。

しかし、それをピタリと静めた奴がいた。

総隊長ではない。

俺はその静めた奴の細い目がキラリと輝き、口元が更につり上げられたのを見逃さなかった。が、その後を追えなかった。




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