tennis

□僕の好きなもの
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休み時間、僕はいつも後ろの席の英二に話しかける。

「英二、何読んでるの?」
「スラダンだよ。桃が面白いからって貸してくれた。」
「ふーん…で、実際どう?面白い?」
「よくわかんにゃい。不二、読む?」

そういって差し出されたのは日に当たって焼けてしまった漫画。
僕はあまり興味がなかったから「気持ちだけ、」と断る。
英二も飽きたらしく漫画を鞄に戻していた。

「そうだ、不二」
「ん、何?」
「今日のお昼屋上で食べようよ」

成る程、今の天気は雲のない晴天。
教室で食べるより屋上の方が断然いいだろう。

「うん、いいよ。」

僕はそう答えながら次の授業の用意をする。
それにつられてなのか分からないけど、彼も机の上に教科書を並べる。
そんな、当たり前の光景が

(ねえ英二、君は知らないかもしれないけど)

僕はとても好きなんだ。


Fin.
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