tennis
□詐欺師の憂鬱
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「仁王ー」
「何じゃ?」
「賭けをしよう」
「は?」
「負けた方は勝った方の言うことを3つ聞くこと」
「ちょ、何それ俺やりたくな…「最初はグー、じゃんけんぽい!」
−−…ああ、なんて悪夢。
*
「はい!じゃあ俺の勝ちだね。いい?」
「へーへー、もう何なりと。」
いきなりじゃんけんをさせられて(ダーツかポーカーかと思ってた)
とっさの事でパニクった俺はグー、それを知ってたかのように幸村はパー。
よって俺の負け。
目の前の幸村は心なしか神々しいほど輝いて見える。
どうか気のせいであってくれ。
「そうだなー…猫耳のメイド服とか?」
「嫌じゃ!」
「え?何ごめん聞こえなかったなあ☆もう一度言ってくれる?」
「いや何でもないですごめんなさい喜んで着させていただきます。」
一見笑顔なのに奴の後ろには黒いオーラが見えるから、怖くて逆らえん。
幸村は「だよね」と言いながらテニスバッグを漁り何かを引っ張りだした。
それはふわふわでピンクでリボンで、いかにも女の子なイメージな服。
俺は「無理だ!」と言っているのに聞いてくれない。
ていうより逆に楽しんでいるような気がしてならない。こいつはドSか?
しかし1人で云々考えても仕方ないので、諦めて着ることにした。